第3章:観測と共鳴の理論
前章では、振動子 v が意識状態の根源であるという仮説を提示した。本章では、この振動子が外界との関係をどのように形成し、いかにして「観測」という行為を通じて現実を確定しているのかを明らかにする。 観測とは何か、そして「共鳴(resonance)」という現象を介してどのように現実が知覚されているのか。ここでは、量子論・神経科学・哲学の枠組みを統合し、観測=共鳴=現実確定という新たな理論枠組みを提示する。
1. 観測とは振動数の同調である
私たちは日常的に多くのものを「観測」している。しかし、見る・聞く・触れるといった行為が、単なる受動的行為ではないことは直感的に理解されている。 例えば「見ようとしなければ見えないもの」や、「聞こうとしなければ聞こえない音」があるように、観測には能動的な成分が含まれている。
本理論では、この「観測」という行為を、振動数 v の同調(共鳴)として捉える。すなわち、観測者自身の振動子 v が、対象のもつ波動成分 f に共鳴することで、対象との情報的な接続が確立し、それが「見える」「聞こえる」といった知覚になる。
観測とは、単なる受容ではなく、「同調(resonance)」という能動的な関与である。振動子 v が、対象の波動に一致したときのみ、観測は成立する。
2. 共鳴と選択:観測の量子的モデル
この視点から、量子論の「観測問題」も新たに解釈できる。量子力学においては、粒子の状態は観測されるまで確定しない(シュレディンガーの猫など)とされるが、これは「どの波動状態に共鳴するか」という観測者側の選択に対応している。
本理論では、存在は「すでにそこにあるもの」を見ているのではなく、自身の v によって「どの現実を観測するか」を選択していると考える。この選択が観測という行為の本質であり、「世界を見ている」のではなく「世界を選んでいる」のである。
これは、主観的宇宙が「観測する者の状態」によって決定されるという、量子論的実在観と合致している。
3. 共鳴による情報取得
共鳴とは、振動数の一致によってエネルギーの交換が効率化される現象である。これは、音叉が共鳴する現象や、ラジオが特定の周波数を拾う仕組みと同様である。
意識が外界から情報を得るとは、この共鳴機構によって、特定の情報波動が自身の意識領域に取り込まれることであり、観測とは「情報波をキャッチする技術」でもある。
逆に言えば、v が一致しない対象とは「共鳴できず」、それを認識することができない。 つまり「見えない世界」「聞こえない音」は、存在しないのではなく、「自分が今の振動数でアクセスできない」だけなのだ。
4. 共鳴=観測=現実確定のトライアド
ここで本理論の中心的命題を提示する。 それは、「共鳴=観測=現実確定」という等式である。
あなたが何を共鳴するかによって、あなたが何を観測するかが決まり、それが「あなたの現実」となる。 これは主観的な幻想ではなく、量子的にも、情報理論的にも合理的な解釈である。
あらゆる存在は、実体としてそこにあるのではなく、「観測者の状態に応じて確定される波動的可能性の収束」である。 そして、その収束(コラプス)は、意識の持つ「選択と共鳴の力」によって起きる。
5. 観測されないものは存在しないのか?
哲学的疑問として、「観測されないものも存在するのか?」という問いがある。 本理論の答えは「YES」である。
しかし、それは「あなたの現実には現れない」という意味であり、「宇宙に存在しない」わけではない。 よって、「多重宇宙」や「平行現実」のような仮説は、この理論とも矛盾しない。
あなたの意識がどの現実に共鳴するか。それが「あなたにとっての世界」を決定している。 同じ空間にいながら、人によって現実の色や意味がまったく違うのは、振動子 v の違いによる共鳴状態の違いによるものだ。
結語:観測とは世界との対話
観測とは「情報を得る行為」ではなく、「世界との対話」である。 振動子 v を通じて、あなたが何に共鳴するかは、あなたが何を愛するか、何を大切にするかと深く結びついている。
次章では、この「共鳴による観測」が、光子や魂、さらには集合的無意識とどうつながるのかを探る。 「魂=光子」という大胆な仮説に挑む準備が整った。
(つづく)
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